女性部下からズムハラ認定されてませんか?
女性が多い職場安定化&活性化コンサルタント玉居子です。
対面で仕事をしていた時にはそれなりに良好な関係を築いていたと思っていた女性部下が、オンラインになってから
「なんとなくそっけなくなった」「冷たい態度をとられるようになった」
というのは思い当たる節がありませんか?
コロナウィルスによりこの1年で我々のライフスタイルは大きな変化を求められました。特にテレワーク(在宅ワーク)の浸透により、「オンラインでの女性部下とのコミュニケーションが難しい」というご相談が増えています。
Contents
オンライン化で女性部下がそっけなくなる理由
なぜオンラインでは女性部下がそっけない態度をとるのか?
その理由を端的に述べると
「そもそも元から女性部下との良好な関係は築けていなかったから」
です。
女性は対面で、男性比率が高く、「男性的組織風土」が強い会社やチームなどでは基本的に忖度をしています。
女性側が男性上司であるあなたと対峙する時には、かなりの圧がかかります(あなたが醸し出す雰囲気や見た目や権限など)いろいろな要素が含まれています。女性は周囲にも男性がおり、場の空気を読み、その状況に応じた対応や所作が求められると、下手な真似はできません。
しかし、オンライン上では自宅におり、対面の圧迫感も、周りの目線もなくなったことで「あなたに忖度をする必要性が少なくなったのです。
「良好な関係が築けている」という勘違い
良好な関係自体が築けておらず「仲良くやれていた」というのは自分自身の幻想だった、というケースはありがちなパターンです。
女性部下はある意味女優です。脚本家や監督の意向に従い、求められる役割を演じる。職場でも女性は自分の役割を演じています。
するとあなたから見れば「信頼を一定で寄せていますよ」的な態度・言動をしますが、素の部分では全く違い、嫌っている・・・みたいなことになってしまうのです。
私も保育園経営者時代、陰でパワハラ大王などと言われていました。
その頃には、表向きではかなり私のことを慕ってくれている風の女性部下がいました。
普段のやりとりではほがらかな笑顔でもって私に対応してくれて、私自身、良好な関係が築けていると錯覚していました。
しかしある日、別の従業員から「私のことを毛嫌いしており、生理的に無理レベルで陰口をさんざんいっていた」という事実を後日教えてもらいました。
当時の私はパワハラ大王の名に違わず(笑)、威圧感が半端なかったので相手の素の部分を垣間見ることは難しい状況でした。女性部下に忖度をさせる要素満載で、もしかしたらあなたの醸し出す雰囲気も周りに忖度を生ませているかもしれません。
対面では良好だからと油断していると…オンライン上でそっけない程度を取られ、戸惑ってしまう可能性が高いでしょう。
ズムハラはフラットな関係性から生まれる
自宅でのテレワークではフラットな関係性から生まれます。
自宅での業務では、周りには家族もしくは自分一人だけです。周囲の目を気にする必要はなく、画面上でのやりとりがメインなので、忖度をする必要がなくなります。
画面上で仕事の確認をされても目の前にいないので威圧感が大幅に減ります。厳しい対応をされても画面越しなので迫力も乏しく、安全領域での仕事なので負担にはなりません。
すると忖度をする必要性がなくなり、素の自分が出やすくなるのです。結果、相手の本音が現れ、今までとはなんとなく違う対応をされる。という事態が起こるのです。
「なんとなく違う」は要注意のサイン
なんとなく違う対応というのは違和感が発生している状態です。
「まぁこんなもんか」とか「気のせいだろう」などと楽観しているのであればかなり注意をしてください。
画面越しというのは読み取れる情報がかなり少ない状態です。それなのに違和感を感じるということはあなたに対して、相当思うところがあるということです。
オンラインですとほとんど顔しか見えません。その人の全体が見えないため、顔の表情や口調だけで相手の状態を推察する必要があります。
もし相手が違和感を醸し出しているのであれば、その状態を放置することは悪い循環を生みます。
そのあなたに対するそっけない態度が積み重なると、ますます女性部下の不信感が高まっていき、相手からのズムハラ認定の可能性が高まります。
女性部下とのオンラインコミュニケーションにおいて最も大切な点は共感的姿勢を表現した対応です。これは対面、オンライン問わず共通ですが、特にオンラインでは気をつけなければいけません。
女性部下に安心感を与える方法
①表情で喜怒哀楽をちゃんと現す
オンラインでは顔の表情の重要性がより一層増します。
相手に与える印象は顔の表情が大きなウエイトを占めています。その大切な情報である表情が無機質でどんな感情の状態でも変わらないとしたら相手の方はどう思うでしょう?
身体全体で雰囲気を察せない分、表情から相手の状態を推察する必要があります。
男性はプライド、昔からの男性観の呪縛、共感性がもともと低い、などあらゆる要因が重なって表情が乏しい方が多いですが、女性が多い職場や女性部下が多い職場では危険です。
どんな感情でも仏頂面だったりすると、何を考えているかわからないと不気味がられる可能性があります。
私自身はクライアントの方に感情マトリクス別の5種の基本表情をつくるワークを推奨しています。5種の基本表情ワークとは
- 「通常」
- 「うれしい、たのしい」
- 「苦笑い、困った」
- 「驚き、興奮」
- 「悲しい、神妙」
などをの感情を体現する表情の基本形を決めてそれを練習するというものです。表情に出すのが難しいからこそ男性は積極的に表情作りの練習が必要なのです。
②うなづき8回1セットで体に共感的姿勢を植え付ける
オンラインのコミュニケーションで大切なスキルとして「うなづき」があります。
男性は基本的にうなづくのが苦手ですが、相手の話にうなづくという行為は非常に効果があり、「肯定的に受けとめていますよ」という意思表示を明確に伝えることができます。
大事なのは「相手の話を受け止める(共感しようとする)姿勢」です。
相手の話に対して「ありのまま受けとめますよー、共感や納得はしているかは別として」という気持ちでうなづいても大丈夫です。
私もうなづきに慣れてないころは正直めんどくさいと感じていましたが、うなづく行為に飽きないように音楽でリズムを取るようにうなづき8回1セットで行うようにしていました。
音楽に乗るようにうなづきをしていたので、初期のころは相手の話はほとんど聞いてませんでした(笑)
それでも慣れてくると、リズムをとるかのように話を聴くときにうなづきができるようになったのです。もしうなづきが苦手という方は、音楽を聴いてリズムをとる習慣から始めるのもひとつの手です。
③共感的姿勢を見せる
女性は話を聞いてもらいたい生き物です。
論理的整合性よりも発散志向なので感情に寄り添った聞き方をしましょう。感情の共有に意識をはらって聴くようにし、心のニーズから出てくる感情に寄り添っていきます(共感の姿勢を見せる)。
オンラインでの1ON1の面談こそ信頼を得る好機
特にオンライン化の良いことは「1対1で信頼を取り戻すチャンス」があることです。
女性部下に日々の業務で何か気になっていることやもやもやしていることについて聞くこともできます。
例えば話を聞いていると色んなニーズが出てきます。
- 事象:旦那さんの家事の仕方が雑で気になる
- 思考(主観):もっと丁寧な対応をしてほしい。具体的には掃除機のかけ方が適当。洗濯物の畳み方が丁寧じゃないetc
- 感情(ネガティブ・ポジティブ含む):いらいらする。もやもやする。うれしい(家事をしてくれる)ほっこりする
ここまでを共感的姿勢で対応していきます。「共感的姿勢」とは「相手の関心事や価値観をありのまま受けとめる態度・行動」です。
女性部下の感情を共有し、相手のニーズが満たされると声のトーンや口調がすこし落ち着いた感じになります。
その状態になってからようやく「今後はどうしたいか?」のような提案をしたり、話を聴いてもらえて満足感を得てくれたようであれば「またいつでも相談にのるから気軽にいってね」などと声掛けをして、その面談はいったん終了でもOKです。
1対1の時間を女性部下にとって「有意義な時間」にすること
最も重要なのは
1対1の時間を女性部下が有意義に思ってくれること
です。
オンラインで信頼関係構築ができれば、物理的には遠くても精神的な距離は近くなります。
私もオンラインで女性の方からの相談を受けることがありますが、場合によっては一度も直にあったこともないのに昔からの知り合いかのごとく本音でディープな話ができる方が複数いらっしゃいます。
忖度のない世界で信頼関係が築けるようになれば、対面でのコミュニケーションでも活かすことができます。
まとめ
オンライン上では素が出るから、本音を聞き出すチャンスです。
それは相手だけでなく、自分も含まれます。素の相手を引き出すチャンスでもあり、相手の素を出すチャンスでもあるのです。
例えば「相手に対して自己開示ができない」という悩みがあることを女性部下に打ち明けてもいいでしょうし、自分の趣味とか好きなことを話すとか聴くとかでもいいでしょう。
重要なのは「自己開示や本音の話を先にする」ということです。
女性部下と信頼関係を構築する上では
- 共感的な姿勢を示すこと
- 自己開示や本音の話をすること
が重要になりますので、普段から意識をしてみてください。